東京の飲食店がデリバリーサービスを始める時の注意点とは?
テイクアウト・デリバリーサービスは最近脚光をあびています。とはいえ、デリバリーサービスを始めるには営業許可が必須なのです。許可を取得せずに営業すると法律違反となり罰則を受ける可能性があります。どんなケースで営業許可が必要になるのかといったことや、デリバリーを始めるにあたって注意すべき点について詳しく見ていきましょう。
別途営業許可が必要になる場合
これまでお店のメニューになかった新メニューでテイクアウトやデリバリーサービスを予定しているのであれば、営業許可を得ることが必要です。持ち帰り専用のおにぎりや弁当、飲み物などを新しく販売、あるいは新しく開発した商品を持ち帰りや配達する時は営業許可が不可欠となります。許可が必要かどうかわからない場合は保健所に問い合わせてその必要があるのかを確認をしましょう。なお、もとよりお店のメニューとして提供されている料理であるならば、改めての許可申請は必要ありません。
また、新商品を提供する場合はとくに使用する食材に注意です。冷凍品、肉類、菓子類、パン、牛乳、砂糖、塩、酢、醤油、味噌などは許可がいります。そして、魚介類や、鍋料理の具材など他の食品とまざって提供するものや、調理前の生麺や自家製生麺などを売る場合も許可が必要となっています。ちなみに自家製生麺が他の食材と一緒の料理にまざっている場合は許可はいりません。
さらに、焼肉屋が生肉のセットを売る場合は焼肉販売業の許可が必要で、飲食店としての許可がない場合は食品衛生責任者の資格も必要です。惣菜などをネット販売する場合も許可がいります。くわえてレストランのお昼のメニューとして提供されているケーキを持ち帰りができるようにするためには、別途、菓子製造業の許可が必要です。しかし、厨房の設備は変更しなくても問題はありません。新しくオープンするテイクアウト店も許可がいります。
八百屋が弁当やおかずの販売・持ち帰りを、焼鳥屋が持ち帰り専門店をオープンするとか、レストランや居酒屋で作った弁当をニューオープンした持ち帰り専門店で売るといったものです。お店の張り出しでお客の目の前で料理して売る時は許可は不要ですが、この場合、容量・原材料名・消費期限などを記載した容器に入れる必要があります。容器は、水漏れ・型崩れがなく、保温効果があり、ゴミ分別がしやすいものにする必要があるのです。
営業許可は、申請から許可されるまでには約2週間程度かかってしまいます。新しい商売を開始する時は、できる限りスピーディーかつ効率的に行うことが肝心です。早くデリバリーを開始するためには、まずは店舗ですでにメニュー化している商品からスタートして次第にデリバリーメニューを追加していく手法がおすすめですね。とにかくわからないことは最寄りの自治体の保健所に問い合わせるようにしましょう。自分で判断するのは危険なので極力避けるようにしたほうがいいですね。
食中毒予防対策や衛生管理の強化
デリバリーの場合は、店内で飲食する場合とくらべて配達に時間がかかるため、食中毒のリスクが高まります。食中毒予防対策や衛生管理の強化をしましょう。注意すべき点を具体的にあげますと、料理は中心部まで充分に(75度以上で1分以上)加熱します。ノロウイルスの汚染の危険がある貝などはさらに(85℃以上90秒以上)加熱しましょう。
作り置きはせずに注文を受けてから作るようにします。お客に消費期限を伝え、早めに食べてもらうようにしましょう。目安としては、できあがって2時間以内に食べるようにします。繁忙期などでやむを得ず作り置きする場合は、温めるものは65℃以上、冷やすものは10℃以下をキープするようにしましょう。
配達の際も、料理の温度が下がらないよう気を付けます。調理する人が体調不良の場合は休ませるようにします。調理が間に合わないほどの大量の注文は受けないようにしましょう。なお、店舗での提供分をオーバーした食品を持ち帰り用として並べて売る場合は、商品名・原材料名・消費期限等をしっかり表示しなければなりません。
対応エリアは狭くする
新たにデリバリーサービスを開始する際は、まずはエリアを限定して一定の売り上げの成果が上がるまでそのエリアに集中して販売するのがおすすめです。ノウハウが確立されてない中でいきなりエリアを広げてしまっても、うまくいかない可能性があるのです。おいしいままの状態で商品を顧客に提供するためにも、配達エリアは注文後30分以内で配達が可能な所に絞るのが効果的でしょう。注文から料理ができあがるまでにかかる時間も見込む必要もあります。目安として最初は配達にかかる時間が片道15分圏内のエリアに絞ってみるのもいいのではないでしょうか。
デリバリー・テイクアウトサービスはコロナの影響も手伝ってこれまで以上に需要が拡大しています。8%の軽減税率の適用も追い風になるでしょう。街中でテイクアウトを利用している人の姿を目にする機会も増えてきていますし、開店するお店も増えてきていますね。売上大幅アップが期待できる大きなビジネスチャンスとなります。しっかりした計画、準備をして万全の体制でデリバリーサービスをスタートさせましょう。