近年、フードデリバリーサービスは急速に需要が高まりました。人との接触機会が少なく、自宅で簡単に美味しいものを食べられるため、苦境を強いられている飲食業界の救世主となったのです。既存の飲食店がデリバリーサービスを導入する際には、どのような手続きが必要なのでしょうか。この記事では開業に必要な準備を紹介するため、参考にしてください。

資金調達・物件探し

フードデリバリーサービスを始めるにあたって、初期費用200～600万円程度が必要です。物件取得費、内装工事費、デリバリーバイクなどの車両費、研修費などがかかります。自己資金のみで準備できればよいですが、難しい場合は資金の調達が一番の悩みどころとなるでしょう。

日本政策金融公庫の融資

開業資金の調達が自己資金のみでは難しい場合、思いつくのが銀行の融資ではないでしょうか。しかし経営実績がないと、銀行も簡単には融資をしてくれません。審査に落ちてしまった場合は、日本政策金融公庫の融資を検討することもおすすめです。申請には「事業計画書」の提出が必要なため、事前の準備をしておきましょう。今後の返済計画やターゲット層のマーケティングなど、細部まで作りこんでおないと、審査に通りにくくなるので注意してください。自治体によって異なりますが、デリバリーサービスを新たに始める場合は、初期費用の助成金制度もあります。無担保・無保証で融資してくれることもあるため、積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

物件の探し方のコツ

デリバリーサービスのみで営業する場合、客席が必要ないため厨房と少しの販売スペースがあれば開業できます。立地についても、通常の飲食店が避けるような立地でも構いません。駅から遠い、階段を上がらないといけないなどの条件を受け入れれば、比較的安価な物件を探せるでしょう。周辺に住宅街やオフィス街があり、バイクや自転車を停めやすい物件が最適です。

居抜き物件があればそのまま厨房が使用でき、客席を作業場や倉庫として利用できる価値もあります。場合によっては、自宅を改装して開店することもできるでしょう。いずれにしても、通常より低コストで準備できます。少ない資金でも妥協せずに探してみてください。

必要な書類集め・メニュー考案

デリバリーサービス専門店を開業するときは、「飲食店営業許可証」と「食品衛生管理者の資格」が必要です。

飲食店営業許可証

通常の飲食店と同様、出店する店舗の地域を管轄する保健所から「飲食店営業許可証」をもらう必要があります。調理施設などで一定の基準を満たしているかどうか、保健所による店舗への立ち入り調査があるのです。立ち入り調査の確認後、営業許可通知書が交付されます。審査には時間がかかると予想されるため、オープン予定日の10～14日前には申請しましょう。事前の相談もできるため、二度手間にならないように保健所に足を運ぶことが重要です。

また、配達エリアに複数の自治体が含まれる場合は、すべての自治体で営業許可を得る必要があります。あまり広範囲に設定してしまうと大変なので、最初は狭い範囲で設定しておき、経営が軌道に乗ってから拡大してもよいかもしれません。

食品衛生管理者

各施設にひとり、食品衛生責任者の資格をもつ人が必要です。各都道府県で実施されている講習会へ参加することで、資格を取得できます。講習期間は1日で終了し、受講料は10,000円ほどが相場となっています。調理師や栄養士の免許を持っているスタッフがいる場合、講習は免除されるようです。有効期限はないため、更新の手続きなどは不要となっています。必要な営業許可や資格は自治体やメニューによって異なるため、事前に管轄の保健所に確認しておきましょう。

メニューの考案

イートインとの違いは、料理ができ上がってから利用者が食べるまでの時間です。配達中に冷めてしまうとおいしさに欠けると思われる、移動によって見た目の美しさを維持できない可能性もあります。衛生管理上でも、細心の注意が必要でしょう。時間が経過するにつれ、食中毒の危険性も増します。温かい商品と冷たい商品は容器を分ける、冷めてから蓋をする、保冷剤といっしょに梱包するなどの工夫と、賞味期限をわかりやすく表示して衛生対策を行いましょう。

デリバリー用バイクの準備

近年では、デリバリー代行サービスのバイクを街中で見かけることも多くなりました。代行サービスを利用する場合は宅配車両の準備は不要ですが、自社で行う場合はレンタルバイクがおすすめです。バイク購入の初期費用がかからず、保守契約と任意保険がついた契約にすれば面倒な手続きも任せられます。繁忙期だけの短期契約など、必要に応じて利用することもよいでしょう。

デリバリーサービスの開業には準備が必要ということがわかりました。「通常の業務をこなしながらでは、なかなか準備が進まない」という方に向けて、デリバリー用バイクのレンタルから開業時の支援までを行ってくれるサービスもあります。少しでも早くデリバリーに対応したいということであれば、このようなサービスの活用もおすすめです。ブランディングを行い、競合店との差別化もしておけば、デリバリーサービスは新規顧客の獲得にも有効となるでしょう。

【東京】おすすめのデリバリーバイクレンタルサービス

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